
バロック期を代表する画家・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を模写。4回に分けて制作。
使用画材
右から
スタンドオイル
柔らかい平筆 0.8号
豚毛平筆 14号
馬毛平筆 8号
柔らかい丸筆 2号
面相筆
チタニウムホワイト
プルシャンブルー
ピーチブラック
※使用キャンパス
3号キャンパス

構図
フェルメールは『カメラ・オブスクラ』という原始的なカメラを使用して、キャンパスに移りこんだ映像を線引きし、油彩によって着色したようです。
進め方は異なりますが、グリサイユからグレージングによる彩色によって絵を進めます。

グリサイユ
ブラックとホワイトを使用し、明暗による描き方(グリサイユ)で進めていきます。
構図を取った後、豚毛平筆を使用してザックリと形をとっていきます。その際、おでこから肩、頭部から顎というように遠いところに点を置き距離を測るようにして構図を組み立てていくといいでしょう。

2回目グリサイユ
風通りの良いところで3日~1週間乾燥させ、表面が乾いたら、2度目のグリサイユを行います。
馬毛、豚毛を使用し、明暗を整えながら、前回進めにくかった表情の細かいところなど、面相筆や柔らかい筆を使用して描き込み、完成したところで再度乾燥させます。

グレージング
表面が乾いたら、絵の具をオイルで薄く溶き、柔らかい筆を使って刷り込むように薄く全体に塗っていきます。
色が濃くなりすぎたりした箇所はウェスなどをで軽くふき取ってあげます。

2度目のグレージング
最初のグレージングから乾燥する過程で、画面の色が落ち着きます。
2度目のグレージングで、さらに彩度を上げ、ハイライトや細部の描き込みを進めて完成です。

研究結果
写実絵画を描き進めるにあたり、最も時間を要する箇所といえば、形の修正です。ですから、写実絵画を描く場合、下描き(グリサイユ)の時点で構図と明暗を、画面の中にしっかり押さえておく必要があります。
集中力、観察力と画材の修練度が問われますので、上達を目的とされる方は、紙と鉛筆、消しゴムがあれば可能なデッサンをお勧めします。
写実画の上達は、コツコツと地道な努力が最短の近道です。